環境活動レポート 2014年度 環境活動レポート

7.当社の製品で環境の改善を行った事例

 当社では環境を配慮した商品開発と生産・サービスを行い、お客様の仕様場面での省エネルギー・CO2削減に貢献できるよう活動しています。当社装置での省エネルギー事例や、当社の新しい乾燥システム(オーカワラハイブリッド乾燥システム)について紹介致します。

1)【ヒートポンプを利用したハイブリッド乾燥システム】特許出願中

 ハイブリッド乾燥システムは熱風乾燥機の熱風発生部に高効率なヒートポンプ式熱風発生装置(CO2熱風ヒートポンプ)と従来のエアーヒータを最適な条件で組合せることにより、大幅な熱効率向上と省エネルギー化を達成できる全く新しいシステムです。ハイブリッドな加熱システムにより乾燥機に必要な温度の熱風を供給できますので様々な乾燥装置に適用できます。また、チラー水を供給できますので加熱と冷却を同時に行うことでさらに高効率な運転が可能です。この他、熱源として従来は捨てていた常温水、低温の乾燥排ガスなどから熱を汲み上げて乾燥に利用することができます。

事例:既設乾燥設備の熱源をハイブリット化

ヒートポンプ式熱風発生装置
ヒートポンプ式熱風発生装置
ヒートポンプ式熱風発生装置

 上記はお客様の既設乾燥設備熱風発生源にヒートポンプ式熱風発生装置を増設したフローです。

 熱風発生源をハイブリット化した結果、二酸化炭素排出量及びコストの削減に成功しました。下記グラフに蒸気使用量、電気使用量の変化を挙げます。

CO2排出量
エネルギーコスト

2)排ガス循環による燃料削減

事例1

排ガス循環による燃料削減<事例1>

 上記フローシートは、乾燥排ガスを循環することにより、乾燥に必要な熱風量を補い、バーナ燃油量を抑える乾燥設備を示します。今回納入した事例ではダクトバーナ燃油量を約30%削減に成功しています。


事例2:循環フロー改造による燃料削減

排ガス循環による燃料削減<事例2>循環フロー改造による燃料削減

 上記フローシートは既設乾燥設備循環ダクト接続位置を変更することにより、熱風炉バーナ燃油量を削減する改造を示します。

 乾燥排ガスを循環させていた既設乾燥設備を、脱臭排ガス熱交換器から取ることにより、循環ガス温度を約200℃から約400℃に上げ、乾燥バーナ燃油量削減に成功しています。


3)乾燥排ガス熱回収による燃料削減

乾燥排ガス熱回収による燃料削減

 上記フローシートは、乾燥排ガス熱を回収し、乾燥に必要な熱量を補う乾燥設備を示します。

 今回の納入事例では、乾燥用熱風とする外気を熱交換器により乾燥排ガスで加熱し、蒸気ヒータでの昇温を補っており、蒸気使用量を約16%削減することに成功しています。


4)ごみ焼却排ガスを利用した乾燥設備

ごみ焼却排ガスを利用した乾燥設備

 上記フローシートは通常の乾燥設備を示します。

 今回の納入事例では、乾燥に必要な熱風を発生させる熱風炉を設けず、ごみ焼却設備排ガスを乾燥熱源とすることで、乾燥専用の燃料を必要としない設備となっています。また、乾燥排ガス(臭気ガス)を焼却設備に戻すことにより脱臭炉も不要となっています。


5)既設設備改造

事例1:既設乾燥設備の乾燥バーナ燃焼エアー加熱を行う改造

既設設備改造 <事例1>既設乾燥設備の乾燥バーナ燃焼エアー加熱を行う改造

 上記フローシートは、既設乾燥設備排気経路に熱交換器を増設、乾燥バーナ燃焼エアーを加熱することにより燃油量を削減する改造を行った事例です。

 本改造により約28%の燃油量削減に成功しています。


事例2:乾燥設備単独運転化

既設設備改造 <事例2>乾燥設備単独運転化

 上記フローシートは、プラントの一部として納入した乾燥設備を単独で運転可能とする改造を行った事例です。既設設備を改造した脱臭炉の排熱により、熱交換した乾燥排ガスを循環することにより、他設備から熱風の供給を受けず、単独で運転可能としています。この改造により、他設備を起動する必要がなくなったため、プラントで乾燥に必要となる燃油量を約47%削減に成功しています。