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知っておきたい濃縮の基礎(低温濃縮)

濃縮とは

濃縮プロセスでは、液体から水分を取り除いて濃度の高い液体をつくります。主に液体を加熱し水を蒸発させる方法で濃縮操作を行います。食品は加熱することにより品質が劣化する場合があるため、低温で濃縮することが求められます。

減圧し低温で蒸発

標高0mの気圧は101.3kPaです。水は100℃で沸騰します。富士山の山頂は3776mです。高度が1000m高くなるにつれて気圧は約10kPaずつ低下するので山頂の気圧は63.8kPa、これにより水の沸点は88℃まで下がります。このように圧力が下がると沸点が下がることを利用して、濃縮装置内を減圧することで低温で濃縮します。

所定の温度で蒸発

通常大気圧下では水は100℃で沸騰します。たとえば50℃で蒸発させたい場合は12.3kPaまで減圧してする必要があります。飽和水蒸気圧曲線のグラフを用いて、蒸発温度から装置の圧力を決定します。

真空蒸発装置「エバポール」

エバポールは、真空槽内の高速回転するロータに液を流し、加熱面を薄膜状で流れながら濃縮する装置です。滞留時間は約一秒で排出され、熱劣化の少ない濃縮液を得ることができます。

 

濃縮装置

エバポール フラッシュエバポ

 

次回 第4回は殺菌の基礎(過熱蒸気)を掲載します。



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